浮遊細胞のシングルセル培養
細胞の増殖をシングルセルレベルでモニタリングする場合、通常は隣の細胞と接触しないように低密度に播種するか、セルソーターや限界希釈によって1細胞となるようにマイクロウェルプレートへ播種します。しかし、シングルセルとなるように播種するのは難しく、多数のプレートが必要なため、使用する培地や試薬の量が多くなり、観察に要する時間もかかります。また、浮遊細胞を培養する場合は、細胞が定位置に留まらず、広いエリアを浮遊する1つ細胞を追跡するのは困難です。
このような場合、高密度な微細なナノウェルデバイスを用いると、シングルセルレベルで多数の細胞の増殖を同時にモニタリングすることが容易です。また、細胞はナノウェルに保持され定位置に留まるため、浮遊細胞の場合でも1つの細胞の増殖をモニタリングすることが可能です。
シングルセルからの増殖をモニタリングすると、細胞株においても分裂時間の異なる細胞が混在していることが分かります。例えばK562細胞の場合、18時間、26時間、38時間の分裂時間の細胞が混在しています。
50 μmタイプを用いたシングルセル培養
CellBrite Greenで染色したK562細胞を播種した。播種直後、培養2日後に撮影した。撮影した画像をImageJにより重ね合わせを行った。